チェーンの歴史
チェーンの生い立ち
誰が産業チェーンを発明したの?ハンス・レノルド、アンドレ・ガル、レオナルド・ダ・ヴィンチ、あるいはイムホテプだったのでしょうか? 伝導チェーンの基礎を築いた主要なイノベーションを振り返ります。 チェーンは何千年も前から存在しています。 伝導チェーンとしてのもっとも古い使用の痕跡と考えられているのは、古代エジプト時代(紀元前3150年から~332年の間)に水をくみ上げるためのバケットエレベータシステムまでさかのぼります。引用
紀元前2世紀の終わりごろ、ギリシャのエンジニアであるビザンチウムの発明家フィロン(紀元前280年 - 紀元前220年)は連射式のクロスボウ(連弩)の機構にチェーンを使用していた記録があります。
その後の中国では、『後漢書』によると漢王朝(紀元前202年〜西暦220年)の畢嵐という人物によって西暦186年に竜骨車と呼ばれる水をくみ上げる装置に、現代の鍛造チェーン(drop forged chain)と同様の技術を見ることができます
15世紀イタリアのルネサンス期を代表する芸術家であり、科学者、発明家など多彩な顔をもつレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼のノートに、現代のリーフチェーンのイメージに近いスケッチが描かれています。彼の多くのスケッチ同様、実際に製作したかは不明です。
産業革命とチェーン
イギリスの産業革命では動力が、人や馬、水力などから蒸気機関へと変化しました。その動力を機械へ伝達する為、チェーンも使用されています。その当時はまだ現在のリーフチェーンが登場しておらず、アンカーチェーンが使用されていました。
現代のチェーン
しかしチェーンの実用化には、彼の時代 からさらに約300年の時間を要しました。製鋼技術や機械加工技術などの発展によって、ついに1829年にフランス人のアンドレ・ガルが自転車用にリーフチェーンを開発し特許を取得。さらに1932年に改良した特許再度取得しています。その後普及し始めたのですが、ガルチェーンにはピンの摩耗を防ぐためのブッシュがありませんでした。そのためピン(接続部)が簡単に摩耗したり破損したりする問題がありました。現在では水門や高炉のドアなど、低速で頑丈な往復の用途で広く使用されています。
1864年にイギリスのジェームス・スレーターがチェーンとスプロケットの組合せ部の摩擦の問題を解決するため、リンクとピンのみだった従来のチェ―ンにローラーを追加する特許を登録しました。しかし、この改良でも急激な摩耗の問題は解決されませんでした。
ジェームズ・スレーターから事業を購入した、イギリスのハンス・レノルドが1880年にスレーターの発明に基づき、内リンクにブッシュを追加したローラーを開発しました。この改良により耐摩耗性と強度を兼ね備えた現代のローラーチェーンが生まれました。
また、1903年にはアメリカの発明家ライト兄弟が、ローラーチェーンで駆動する「ライト・フライヤー号」で動力飛行を達成。この様にチェーンは現代の機械化にはなくてはならない存在となっています。引用